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Debian 小史
第 1 章 - 序文 -- Debian プロジェクトとは何か?


Debian プロジェクト は、フリー ソフトウェアだけからなるオペレーティングシステムディストリビューションを 作るために努力する、世界規模のボランティアグループです。このプロジェクトの 今までの主要な成果物は、Debian GNU/Linux ソフトウェアディストリビューション です。これは Linux オペレーティングシステムカーネルと、何千ものパッケージ化済 のアプリケーションを含みます。さまざまなプロセッサタイプに程度こそ違うものの 対応しています。その中には Intel i386 以降、Alpha、ARM、Intel IA-64、 Motorola 68k、MIPS、PA-RISC、PowerPC、Sparc (および UltraSparc)、IBM S/390、 Hitachi SuperH が含まれます。

Debian は Software in the Public Interest, Inc., (SPI) 設立の動機となりました。SPI はニューヨークを本拠地とする非営利団体 です。Debian およびその他の同様の組織が、オープンハードウェアおよびソフト ウェアを開発するのを援助するために設立されました。とりわけ SPI は、Debian プロジェクトが米国で税控除可能な寄付を受け取れる仕組みを提供しています。

フリーソフトウェアについての詳細は、Debian 社会契約 と それに関連する Debian フリーソフトウェアガイドラインや、 フリーとは何だろう? のページを参照してください。


1.1 起源

Debian プロジェクトは、公式には Ian Murdock さんによって 1993 年 8 月 16 日 に創設されました。当時は、Linux の「ディストリビューション」という概念 自体が新しいものでした。Ian さんは Debian を開かれた、Linux と GNU の 精神に則ったディストリビューションにしようとしました (詳細はこの文書の 付録として提供されている Ian さんの宣言を参照してください)。Debian の 創設にあたり、FSF の GNU プロジェクトによって 1 年間 (1994 年 11 月から 1995 年 11 月まで) 支援を受けました。

Debian は、注意深くそして良心的にまとめられるように、そして同様の配慮で 保守されサポートされるように意図されました。Debian はフリーソフトウェア ハッカーの小さく緊密なグループとして始まり、しだいに開発者および ユーザの大規模でよく組織化されたコミュニティへと成長しました。

プロジェクトの開始当初、Debian はすべての開発者およびユーザに自らの作業で貢献する方法が 開かれている唯一のディストリビューションでした。現在でも Linux の重要な 配布団体としては、唯一営利団体ではありません。Debian はプロジェクトを 組織するための憲章、社会契約そしてポリシー文書を持つ唯一の大プロジェクト です。Debian はまた、アップグレード時のシステムの整合性を保証するために、 パッケージ間の関係についての詳細な依存情報によって「細かくパッケージ化 された」唯一のディストリビューションでもあります。

高品質を達成して維持するために、Debian はソフトウェアをパッケージ化して 配布するための広範囲にわたるポリシーと手続き一式を採用しました。これらの 基準は、Debian の主要な要素すべてをオープンで目に見える形で実装するツール、 自動化、文書によって裏打ちされています。


1.2 Debian の発音

Debian の公式の発音は「デビアン (deb ee n)」です。この名前は、Debian の 創設者である Ian Murdock さんとその妻である Debra さんに由来します。


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Debian 小史

2.17 (最終改訂 2012 年 8 月 10 日)

Debian Documentation Team debian-doc@lists.debian.org